私のダンナは若かりし頃にバイク乗りだったらしいのですが(今は引退)、その頃の痛い話です。

ある日、いつものごとく夜道をかっ飛ばしていたところ、小石を巻き込んでしまいズザザーッと横滑りに転倒。
やべっと思いつつ起き上がろうとしたら、ちょっと焦げ臭い。

「あー、グローブが(摩擦で)焼けたかー……」と思い、ふと手を見ました。

「……あ」 

左手の中指が半分がなくなってる………。

「どうしよう、多分滑ったときにどっかに巻き込んで削っちまったんだなぁ……」

幸い(?)傷表面は火傷状態。
だからあまり血も出てないし、痛くない(というか熱い感じ)だったそうです。

「とりあえず、家に帰って治療しよう。」

ダンナは病院が嫌いで、怪我に関して骨折以外は全部『消毒→化膿止め塗布』で対処してきました。 

もちろん今回もそのつもりだったそうで……。

「さて、家に帰ってきてまずこの焼けたグローブを外そう」

「でもなんか溶けて皮膚にくっついてるな……いいや、取っちゃえ」

べりべりべり……

い、痛い。
でもまだなんとか平気。

ピンセットを用意。

「傷口にくっついたゴミ(小石やらグローブの破片やら)を取ろう」

とりあえず消毒し、マキロンを塗る。

「……けど、ちょっと吹き付けたくらいじゃ消毒にならんな、この状態……よし、いっそかけてしまおう!」

じゃばじゃば・・・

「ぐおぉぉぉぉぅ……でもまだ我慢できる」

次は、ピンセットでゴミをほじほじ……

その辺りからダンナはどうでも良くなってきたらしく、

「ん?なんか糸みたいなのが見えるよ……ってこれはもしや……」

ちょっとピンセットでつついてみるダンナ。

「……あqwせdrftgyふじこぉlp;!!!!! 」

そう、この糸。
実は神経でした。 

とりあえず、ゴミはある程度取ったので、あとはべっとりと化膿止めを塗りたくり、そのままガーゼ・包帯をしてしばらくの間放置しておいたところ、いつの間にか肉が盛り上がってきて 
完治してしまったといいます。

信じられませんが、確かに外見もほとんどわからないくらいなんです。

この話を聞いた時、悶絶したものの、ダンナのとてつもない再生能力に恐ろしさを感じました。

ほんと、何事もなかったかのような指をしているんですから。